オープニング 1 / 43

社労士事務所向け AI研修

社労士事務所のための
AI研修

半日研修(180分)

講師: 船津拓海 対象: 職員1〜30名規模の社会保険労務士事務所
オープニング 2 / 43

本日のゴール

「聞いて終わり」にしない。

今日は、6つの成果物を持ち帰っていただきます。

1

AI化候補リスト

自事務所でAI化できそうな業務の候補

2

入力禁止情報リスト

AIに入力してはいけない情報の一覧

3

部署別のAI活用案

部署(担当業務)ごとのAI活用アイデア

4

議事録DBへの登録ルール

会議記録を残す場所・ルール

5

次アクションDBへのタスク登録

誰が・何を・いつまでに試すか

6

AI推進担当と次回ミーティング日程

推進役と、次に集まる日

オープニング 3 / 43

本日の流れ

180分・休憩10分を挟む6パートで進めます

  1. 0–30分AI導入戦略と経営インパクト
  2. 30–60分AI基礎、ツール比較、使い分け
  3. 60–90分セキュリティ、ガバナンス、リスク設計
  4. 90–100分休憩
  5. 100–127分業務棚卸しワーク
  6. 127–154分部署別AI活用案の作成
  7. 154–180分Notion DBへの登録、次アクション設計
Part1・AI導入戦略と経営インパクト 4 / 43

なぜ、今AIなのか

「使う・使わない」の差が、これから広がっていく

  • 生成AIの精度・価格は、この数年で大きく変わっている
  • 士業・中小企業でも、活用が少しずつ広がり始めている
  • 「使う事務所」と「使わない事務所」の差が、これから大きくなっていく

次のスライドで、実際のデータを確認します。

Part1・AI導入戦略と経営インパクト 5 / 43

中小企業・士業のAI利用の現状

大企業と中小企業の間には、まだ差がある

49.7% 生成AIの活用方針を定めている日本企業の割合(2024年度・前年度42.7%から増加)
32.4% 中小企業の生成AI活用率(大企業46.5%・小規模企業28.0%。2026年5月発表、調査期間2026年3月)
26.7% 生成AIを「使っている」個人の割合(日本)。米国68.8%・中国81.2%と差がある

出典: 総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月公表)/帝国データバンク「生成AIの活用状況調査」(2026年5月発表)

Part1・AI導入戦略と経営インパクト 6 / 43

AI研修のよくある失敗

AI研修のよくある失敗3パターン

  1. 1ツールの基本操作だけ学んで終わる
  2. 2全員に同じ内容を一律で教える
  3. 3フォローがなく「イベント」で終わる
54.1% 生成AI活用の課題として「AI運用の人材・ノウハウ不足」を挙げた企業の割合(最多)

出典: 帝国データバンク「生成AIの活用状況調査」(2024年9月発表)

Part1・AI導入戦略と経営インパクト 7 / 43

経営インパクトの考え方

削減した時間を、どこに再投資するか

STEP 1

定型業務にかかる時間を減らす

STEP 2

空いた時間を、単価の高い仕事・新しいサービスの検討に充てる
金額を保証するものではありません。大切なのは、削減した時間を何に使うかです。
Part1・AI導入戦略と経営インパクト 8 / 43

投資の考え方

小さく始めて、検証してから広げる

研修
導入支援
(1業務で検証)
伴走支援
(横展開)

いきなり全部を変えようとしない。1つの業務で効果を確認してから、広げていきます。

Part1・AI導入戦略と経営インパクト 9 / 43

導入戦略の型

導入戦略の型

  1. 1推進担当を決める(誰か1人が旗振り役になる)
  2. 2記録を残す(Notion等のDBに、やったこと・気づきを残す)
  3. 3横展開する(1つの業務でうまくいった型を、他の業務にも広げる)
Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 10 / 43

生成AIにできること

生成AIにできること

例:顧問先問い合わせ対応の6工程

AIが補助

①受付・内容整理

AIが検索補助

②過去事例・FAQ検索

AIが下書き

③回答案の下書き

AIが補助

④論点整理

人が判断

⑤所長・有資格者の確認

人が送付

⑥顧問先へ送付

AIは下書きまで。最終判断と顧問先への送付は、必ず人が行います。
Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 11 / 43

生成AIの限界

生成AIには「得意」と「苦手」がある

AIは、もっともらしい間違った回答をすることがあります(ハルシネーション)。

+25%・+40% 得意な領域のタスクでは、速度+25%超・品質+40%超(コンサルタント758人による実験)
▲19pt 一方、苦手な領域のタスクでは正答率が19ポイント低下

出典: Dell'Acqua et al.「Navigating the Jagged Technological Frontier」Harvard Business School×BCG(2023年9月、Organization Science 2025年掲載)

Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 12 / 43

チャットAIとAIエージェントの違い

通常のチャットAIとAIエージェントの違い

通常のチャットAI

毎回、チャット画面に情報を貼り付けて質問し、都度やり取りする

AIエージェント

データベースや手順書を参照しながら、ファイルを読む・調べる・保存するまで一連の処理を自動で実行する

Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 13 / 43

DEMO

【デモ】実際に動かしてみます

ニュースレター自動作成デモ

  • ①データベース(過去記事・書き方ルール・手順書)の中身を確認
  • ②指示書に沿って、指示を1行だけ実行
  • ③実行中の様子を見る(法改正情報を調べながら作成)
  • ④完成ファイルの出典・施行日を確認

画面を切り替えます

Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 14 / 43

主要ツール比較

ChatGPT/Claude/Gemini/Copilot

比較観点ChatGPTClaudeGeminiCopilot
得意分野 汎用的な文章作成・アイデア出しに強いとされる 長文の読解・要約、慎重な文章づくりに強いとされる Google系サービス・検索情報との親和性が高いとされる Microsoft 365との連携に強みがあるとされる
連携 各種プラグイン・API連携が豊富 ドキュメント処理・API連携に対応 Gmail・Googleドキュメント・スプレッドシート等と連携 Word・Excel・Outlook・Teamsに組み込まれた形で使える
法人管理機能 各社とも法人向けプランでは学習オフ設定・利用管理機能が用意されている(契約前に必ず最新の公式情報を確認)

機能は日々更新されるため、断定はせず、契約前に必ず公式情報をご確認ください。

Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 15 / 43

使い分けの考え方

業務×ツールの当てはめ方

  1. 1普段よく使うOfficeソフト・グループウェアとの相性で選ぶ
  2. 2法人プランの契約しやすさ・管理機能で選ぶ
  3. 3複数ツールの併用も可。無理に1つに絞らない
Part2・AI基礎、ツール比較、使い分け 16 / 43

料金プランの考え方

無料・個人有料・法人プランの違い

無料プラン

個人的な学習・下書き確認にとどめる。入力情報が学習に使われる可能性がある

個人有料プラン

個人の生産性向上には有効。契約主体が個人のため、事務所として管理はしにくい

法人プラン

学習オフ設定・利用管理機能あり。契約主体は事務所。業務利用はここが前提

業務利用は、法人プラン+学習オフ設定が前提です。
Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 17 / 43

セキュリティと入力禁止情報

社労士事務所が扱う情報は、機微度が高い

マイナンバー

氏名つき給与データ

健康診断結果・傷病手当等の健康情報

懲戒・労使紛争に関わる情報

Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 18 / 43

情報の3分類

入力してよい情報/だめな情報を分ける

そのまま入力してよい

公開されている法令・制度の情報/匿名化・一般化した業務内容/社内の一般的な手順・型

匿名化すれば入力可

顧問先名(匿名化すれば可)/議事録(個人情報を削除すれば可)/契約書(要約のみ・人間確認必須)

入力禁止

マイナンバー/氏名つき給与データ/健康診断結果・傷病手当等の健康情報/懲戒・労使紛争に関わる情報

Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 19 / 43

入力禁止情報の代表例

入力禁止情報の代表例

マイナンバー・基礎年金番号

氏名と給与額の組み合わせ

健康診断結果・傷病手当・休職に関する情報

懲戒・解雇・ハラスメント等の紛争に関する情報

顧問先の未公開の経営情報

システムのID・パスワード等の認証情報

Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 20 / 43

利用プランの前提

無料プランのAIは、業務で使いません

無料プランは、入力情報が学習に使われる可能性があります。法人利用は、有料プラン契約と学習オフ設定が前提です。
Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 21 / 43

事務所のAI利用ルール

事務所のAI利用5ルール

  1. 1学習オフ設定にする
  2. 2入力禁止情報リストを作る
  3. 3利用ログを残す
  4. 4出力は必ず人が最終確認する
  5. 5高リスク案件(懲戒・解雇・ハラスメント・紛争)はAI回答の対象外にする
Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 22 / 43

ガバナンス設計

事務所としてのガバナンスを設計する

承認フロー

誰が使ってよいか・誰が最終確認するかを決める

利用ログ記録

いつ・誰が・何に使ったかを記録に残す

社内規程

入力禁止情報リスト・利用ルールを文書化する

NDA先出し

外部委託や顧問契約の前に、秘密保持契約を先に交わす

Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 23 / 43
ワークシート②

ミニワーク(7分)

入力禁止情報リストを埋めましょう

自事務所で「これは入力してはいけない」と思う情報を書き出してください。迷ったら「要確認」に入れておくと安全です。

07:00
Part3・セキュリティ、ガバナンス、リスク設計 24 / 43

前半のまとめ

ここまでで、導入戦略とセキュリティルールを確認しました

  • 環境変化とAI活用の現状
  • 生成AIの基礎とツール比較
  • 入力禁止情報とガバナンス設計

10分休憩を挟んで、後半は実践ワークです。

休憩 25 / 43

BREAK

休憩(10分)

再開予定時刻(自動計算・編集可)
--:--

休憩後は、業務洗い出しワークから再開します。

Part4・業務棚卸しワーク 26 / 43

業務棚卸しワーク

3つの観点で、業務を棚卸しします

1

時間がかかる

頻度が高い、または1回あたりの所要時間が長い業務

2

属人化している

特定の人しかできない業務。手順が決まっている(型がある)か

3

外注している

外部に委託している業務も、AI化候補として洗い出す

Part4・業務棚卸しワーク 27 / 43

記入例

記入例:社労士業務の具体例

  • 顧問先問い合わせ対応
  • 社会保険の算定基礎届(定時決定)の作成
  • 給与計算チェック
  • 就業規則の改定案内
  • 助成金の申請書類作成
  • 打ち合わせの議事録整理
  • 顧問先向け案内文
  • 新人教育
Part4・業務棚卸しワーク 28 / 43
ワークシート①

ワークタイム(12分)

ワークシート①に書き出してください

手が止まったら、「昨日1日の仕事」を朝から順に思い出してみてください。

誰かに頼まれた仕事・毎回同じ説明をしている業務・外注している業務も候補です。

12:00
Part4・業務棚卸しワーク 29 / 43

AI化候補の選び方

「頻度が高い × 型がある」業務から始める

型がある
型がない
頻度が高い
最優先

ここから着手する

工夫すれば候補

型を作れないか検討する

頻度が低い
余裕があれば

手が空いたら着手する

後回し

今は着手しない

→ 選んだ業務を、グループで1つずつ発表してください(全体共有)。

Part5・部署別AI活用案の作成 30 / 43

部署別に考える理由

部署ごとに考えると、活用案が具体的になる

「事務所全体でAIを使う」だけでは、次の一歩が決まりません。部署(担当業務)ごとに考えると、誰が・何に使うかが具体的になります。

部署がない事務所は、部署の代わりに「担当業務単位」(給与担当・手続き担当等)で記入してください。
Part5・部署別AI活用案の作成 31 / 43

記入例

部署別活用案の作り方(記入例)

労務手続き部門

手続き書類のドラフト作成・チェックリスト化

給与計算部門

給与計算チェックの一次確認・Q&A対応の下書き

相談対応部門

顧問先からの問い合わせ一次回答の下書き作成

総務部門

議事録の要約・社内向け案内文の下書き

ワークシート③に、自事務所の部署(担当業務)ごとの活用案を記入していきます。

Part5・部署別AI活用案の作成 32 / 43
ワークシート④

プロンプトの基本型

プロンプトの基本型(穴埋めテンプレ)

役割:[AIに何の立場で答えてほしいか]
目的:[何のためにこの作業を頼むのか]
背景情報:[前提・状況・関連する事実]
条件:[守ってほしいルール・制約]
出力形式:[箇条書き/文章/表 など]
確認してほしい点:[AI自身にセルフチェックさせたい点]
Part5・部署別AI活用案の作成 33 / 43

社労士業務の実例

実際のプロンプト例

① 顧問先問い合わせへの一次回答の下書き

役割:社会保険労務士事務所の実務担当者
目的:問い合わせへの一次回答の下書きを作る
背景情報:[問い合わせ内容を貼り付け]
条件:断定的判断を避け、要確認点を明示
出力形式:そのままメール本文になる形
確認点:誤り・追加確認すべき論点の有無

② 顧問先向け案内文

役割:社会保険労務士事務所の実務担当者
目的:制度変更・改定内容を知らせる案内文を作る
背景情報:[改定・変更内容の要点を貼り付け]
条件:専門用語を避け、期限があれば明記
出力形式:A4一枚に収まる案内文
確認点:不正確な表現・不足情報の有無
Part5・部署別AI活用案の作成 34 / 43
ワークシート③④

ワークタイム(12分)

部署別活用案を作り、代表1業務のプロンプトを作って実行する

  1. 1自部署(担当業務)のAI活用案をワークシート③に記入する
  2. 2その中から代表1つを選び、プロンプトの基本型に沿ってワークシート④に作成する
  3. 3作ったプロンプトを実際にAIへ入力し、結果を確認する
12:00
Part5・部署別AI活用案の作成 35 / 43

出力の直し方

出力がイマイチな時の直し方3つ

  1. 1条件を足す
  2. 2工程を分ける
  3. 3参考例(過去の文書)を渡す
Part6・Notion DB登録・次アクション設計 36 / 43

定着の仕組み

研修を「受けて終わり」にしない仕組みをつくる

使った内容を、その場限りにしないための型を用意します。

STEP 1

記録を残す仕組み(議事録DB・次アクションDBに、やったこと・次にやることを残す)

STEP 2

運用ルールを決める(残す場所・登録するもの・登録担当を決める)
Part6・Notion DB登録・次アクション設計 37 / 43

記録を残す型

議事録DB・次アクションDBの型

議事録DB

会議・打ち合わせの記録を残す場所(Notion等、ツールは事務所で選ぶ)

次アクションDB

誰が・何を・いつまでにやるかを管理する場所

ツールは固定しません。Notion等、すでに使っているツールがあればそれで構いません。

Part6・Notion DB登録・次アクション設計 38 / 43

登録ルールの決め方

登録ルールの決め方

  1. 1残す場所を決める(Notion等、事務所で使うツール)
  2. 2登録するものの範囲を決める(議事録すべてか、AI関連のみか等)
  3. 3登録担当を決める(誰が入力するか)
Part6・Notion DB登録・次アクション設計 39 / 43
ワークシート⑤

ワークタイム(8分)

次アクションを決める

  1. 1AI化候補トップ3を選ぶ(次アクションDBへの登録を前提に)
  2. 2AI推進担当・次回ミーティング日程を決める
  3. 3議事録・記録の登録ルール(残す場所/登録するもの/登録担当)を書く
  4. 4今日の一言を書く
08:00
Part6・Notion DB登録・次アクション設計 40 / 43
ワークシート①②③⑤

今日の成果物

今日持ち帰る6つの成果物

1

AI化候補リスト

→ワークシート①+⑤(1/2)

2

入力禁止情報リスト

→ワークシート②

3

部署別のAI活用案

→ワークシート③

4

議事録DBへの登録ルール

→ワークシート⑤(2/2)

5

次アクションDBへのタスク登録

→ワークシート⑤(1/2)

6

AI推進担当と次回ミーティング日程

→ワークシート⑤(1/2)

→ すべて、今日のワークシートに記入済みです。

Part6・Notion DB登録・次アクション設計 41 / 43

自動化の進め方

自動化には段階がある

STEP 1

最初は、人が毎回確認する

STEP 2

慣れたらAIに一次チェックさせ、問題があるときだけ人に上げる
いきなり全自動にはしません
Part6・Notion DB登録・次アクション設計 42 / 43

ご希望があれば

本日以降のご支援について

AI導入支援

20万〜50万円

2〜6週間で、1業務を完全にAI化します

伴走支援

月5万円〜15万円

月次定例+チャット相談で定着・拡張(ライト/スタンダード/プレミアムの3段階)

ご希望の場合のみ、個別にご相談ください。

Part6・Notion DB登録・次アクション設計 43 / 43

ご質問・ご相談

まず1つの業務から、始めましょう。

本日はありがとうございました。

講師: 船津拓海

takumi272tf@gmail.com